エリック・シンガー、キッスが公演でヒット曲ばかりプレイする理由を説明
熱狂的なファンの中には、キッスが公演でメジャーな曲ばかりプレイするのを物足りなく感じる人がいるかもしれないが、もし知る人ぞ知る曲をプレイしたらどんなことが起きるか──ドラマーのエリック・シンガーが釈明した。
シンガーは『Talking Metal』ポッドキャストで、こう語った。「キッスの通常の公演でそういう(アルバムに収録されてはいるがよく知られていない)曲をプレイしたらと提案したり望む人がたくさんいるのは知っている。僕もある程度それには賛成するよ。でも一方で、僕は無名の曲をプレイしたらどうなるかわかってる。ザ・ローリング・ストーンズのコンサート行って、ヒットが演奏された後、“オーケー、次はニュー・アルバムからの曲をプレイする”って言われるようなものだ。みんな、席について、誰も反応しない。どうでもいいって感じだよ。それらの曲は知りもしないんだから。彼らは「Honky Tonk Women」や「Brown Sugar」「Jumpin’ Jack Flash」なんかを聴きたいんだ。長いキャリアを持つバンドにとってはすごく難しいことだよ」
「この件に関しては、ジーン(・シモンズ)とポール(・スタンレー)は完全に正しいと思う。それに、こういった問題を持つバンドは多い。新曲を組み込もうとしても、ファンが……。新しい音楽に、昔の曲と同じようなリアクションがなければ、バンドは“みんな好きじゃないんだな。だったらプレイしない”って思うものだ」
「(アイアン・)メイデンのように新曲をいっぱいプレイし、“俺らがいまやってるのはこれだ”ってスタンスで行くバンドもいるけど、多分、ストーンズやキッスのようなバンドのオーディエンスはタイプが違うと思う」
キッスは、昨年11月に開いた船上でのフェスティバル<KISS KRUISE 2017>では、ライブ・デビューとなった「Tomorrow And Tonight」「Hot And Cold」、1980年以来プレイしていなかった「Is That You?」などレアな曲もパフォーマンスしたようだが、ポール・スタンレーは以前、「みんなが聴きたいと思っている曲の代わりに、アルバムの裏表を知り尽くしている一部のファンのために無名の曲をプレイすることは、僕らにとってもオーディエンスにとっても最優先とは言えない」と話していた。