キッスのポール・スタンレー「アドレナリンは人に馬鹿気たことをやらせる」
キッスのポール・スタンレーは、家族が待つ家を離れ、なぜツアーを続けているのかと疑問を抱くこともあるが、ステージで味わう快感に勝るものはないと納得しているそうだ。
スタンレーは、『American Songwriter』のインタビューでこう語った。「ツアーに出るっていうのは、高揚感の3時間だが、21時間家を離れるわけで、正直言って楽しくはない。寝るときに“俺はここで何してるんだ? 家族が待つ家があるのになぜここにいるんだ?”って考える夜がある。だから、いい点もあれば悪い点もあるのは確かだが、ステージに立つこと、そのとき感じる感謝の気持ちに勝るものはない」
「それにステージ上でのワークアウト、俺はあれをジムではできない。もしジムが1万人や10万人でいっぱいで、みんなに応援されたら、普段できないことをやろうとするだろ。ワイヤーで吊り上げられオーディエンスの上を飛ぶなんて、クールだよな。もし昼間、誰もいないところでやろうとしたら、俺は怖いって思うだろう。アドレナリンは人に馬鹿なまねをさせる」
また、2019年から行ってきたキッスのラスト・ツアーについて、スタンレーは「終わりのことを考えると、ハッピーにはならない」「オーディエンスとの繋がり、アドレナリンや感情のほとばしり、俺はそれを終わらせたくはない」が、「多くのことには終わりがくる」と、避けられない選択だと話した。
「避けられないことが2つある。死と税金だ。そして、ライヴ・バンドとしての俺らの終焉も避けられない。俺がその日を見たいかって? ノーだ。でも、それは必然だ。俺らに選択の余地がなくなる前に、自分で終わらせたい」
彼らのラスト・ツアー<End Of The Road>は現時点、7月半ばまでの日程が告知されており、2023年後半に終了すると考えられている。