ポール・スタンレー、ヴァン・ヘイレンを拒絶したのは「キッスを守るため」
1976年、キッスのジーン・シモンズがヴァン・ヘイレンに入れ込み、デモ・テープ作成を支援したが、ポール・スタンレーとマネージャーのBill Aucoinは「キッスを守るため」、ヴァン・ヘイレンにそれ以上関わるのを阻止したそうだ。
『Classic Rock』によると、スタンレーはその理由を、この先出版されるエドワード・ヴァン・ヘイレンのバイオグラフィ『Unchained(US版)』/『Eruption(UK版)』(Paul Brannigan著)の中で、こう説明しているという。
「俺らは、ヴァン・ヘイレンを迎えたくなかった。なぜなら、ジーンを抑え込んでおきたかったからだ。ジーンはいろんなことに興味を持つ。それは彼の性格だ。だから、ジーンがわき道にそれ、他のことに関与してしまうのは、俺らのためにならなかった。ヴァン・ヘイレンは否定しようがなかったかって? もちろんだ。彼らは素晴らしかった? ああ。彼らは条件を満たしていた? その通りだ。でも、俺らはキッスを最優先せねばならなかった。当時、キッスを守るためには、ジーンの手綱を緩めるわけにはいかなかった」
シモンズによると、ヴァン・ヘイレンのデモ・テープを聴かせたとき、スタンレーやマネージャーらは肩をすくめ、「それがどうした?」との態度を示したそうだ。シモンズは仕方なく、ヴァン・ヘイレンに向かい、「契約書をビリビリに裂き、“君らは自由だ。俺らはツアーに出る。戻ったとき、契約していなかったら、俺が君らを助ける。だが今は、無理だ。他の連中がわかってないからだ!”と伝えた」という。
ヴァン・ヘイレンは翌年、ワーナー・ブラザーズ・レコードと契約を結んだ。
『Eruption』はUKで9月23日に、『Unchained』はアメリカで12月14日に出版される。